西サハラ友の会通信 No. 45(2026年2月11日発信)

西サハラ友の会通信 No. 45(2026年2月11日発信)
2024年10月・11月のニュース

 今号のニュースで大きいのは、EU司法裁判所の西サハラ関連裁判3判決ですが、これについてはすでに速報で知らせており、詳しくは当会ホームページの報告書(2024年10月18日:https://fwsjp.org/archives/6430)に書いていますので参考になさってください。
 次に注目されるのが、安保理決議2756です。結局、トランプ政権のモロッコ寄りの姿勢が100%貫徹したわけではなく、若干自治案に比重を置く決議になったという程度で採択されました。ただ、ちょうど今、2026年2月、マドリードで米国主導の西サハラ問題関係者交渉が始まり、そのベースに安保理決議2756が言及されていますので、重要なものといえます。


目次
【西サハラ/占領地】
・エキプ・メディアの代表、迫害される

【モロッコ】
・モロッコの極秘西サハラ統治政策が暴露される
・2025年度防衛予算、7.25%増加

【国連】
・デ・ミストゥラ特使、西サハラ分割案を提示
・デ・ミストゥラ氏、6ヶ月後に辞任の意向
・米国はコメントをさけ、EUは積極的
・モロッコは分割案を拒否
・国連第4委員会、西サハラ決議を採択
・安保理、決議2756 (2024)を採択

【米国】
・米国、モロッコに国際開発金融公社(DFC)支店を開設
・ゼネラル・エレクトリック社の西サハラ風力発電への参加

【カナダ】
・ケベック・モロッコのビジネスリーダーが会議

【EU】
・欧州議会議員:マクロン大統領の方針転換に抗議
・モロッコ系銀行の欧州支店が制限されるか
・EU司法裁判所、西サハラ訴訟に画期的判決
・欧州委員会は「take note」(留意する)だけ
・欧州理事会「外交は理事会が決める、裁判所ではない」
・スペインの漁業界「尊重するも遺憾」
・モロッコは「まったく気にしない」
・フランスは「留意」しかしノーコメント
・カナリア諸島代表は沈黙
・モロッコ:青果集荷場・水産加工場をモロッコに移す?

【スペイン】
・軍部隊の詳細情報がウェブで公開されていた
・ペガサス問題:WhatsAppとAppleの裁判、そしてスペインでの捜査
・モロッコのガス危機、スペインが救済
・サハラーウィ亡命申請者、モロッコへ送還

【フランス】
・ドハ・ルカスミのプロフィール
・モロッコによるメディアパート提訴、失敗に終わる
・フランス・モロッコ共同海軍演習
・フランス、モロッコの高速鉄道を受注

【イタリア】
・ココアスプレッドNutkao、モロッコ王室の傘下に

【中国】
・中国アフリカ協力フォーラムサミット開催

【ロシア】
・西サハラ海域の「タラ」に関心か


【西サハラ/占領地】
エキプ・メディアの代表、迫害される
 エキプ・メディアは西サハラ占領地の現実を映像などで外に伝える果敢な現地メディアだ。その代表、アフメド・エッタンジー(Ahmed Ettanji)氏とコーディネーター、ムハンマド・メラーヤ(Mohamed Meyara)氏はブージュドゥールの郊外にあるエッタンジー氏の姉妹の家に行った時、到着するや10分もたたないうちに警察が現れ、家を去れ、さもなくば逮捕すると脅された。彼らを助けに来た活動家のアフメド・バヒは逮捕され、車を押収された。「国境なき記者団」は西サハラを「情報の砂漠」と呼ぶ。エキプ・メディアの他に、ヌシャッタ財団(Nushatta Foundation)というメディアもあり、西サハラ占領地と難民キャンプ両方で活動している。(El Independiente, 11 Oct. 2024)
https://www.elindependiente.com/internacional/2024/10/11/marruecos-asfixia-a-los-ultimos-periodistas-saharauis-de-los-territorios-ocupados-del-sahara-occidental/
https://archive.is/IcWtV

【モロッコ】
モロッコの極秘西サハラ統治政策が暴露される
 モロッコは西サハラ住民を「窒息」させ、モロッコからの移民で統治を満たすという、計算された戦略を進めている。鍵となる実施機構は内務省で、このたび匿名でその職員がエル・インディペンディエンテ紙に政策の実態を語った。その人物によると、内務省は国の西サハラ政策のゲートキーパー(門番)の役を果たしているという。以下はその人物が話したことである。
 西サハラの統治全体を監督しているのは陸軍であり、西サハラの自治体の首長たちはみな陸軍の任命による。彼らは大佐のランクを与えられており、とくにエル・アイウン、ダーフラ、スマラ、ブージュドゥール、オーセルドはそうだ。
 モロッコの西サハラ統治の法的基礎は1982年に出されたハサン2世の王令にあり、それは西サハラの行政を軍体制に従属させると定めている。
 経済戦略はサハラーウィを排除・周縁化することを狙っている。なぜなら、サハラーウィが経済力をつけると政治的な制約をはねのけるようになるからであり、また経済力強化が彼らの出生率を上げることになるから。そうなると、モロッコが入植地でサハラーウィを排除しようという政策がうまくいかなくなる。近年、モロッコ政府はイタリア、フランス、スペインに住むモロッコ人に西サハラに移住するよう勧める政策をとっている。
 内務省はサハラーウィ個人を真面目さ、忠誠心、活動、行動、交際関係などによって「例えば黄、緑、白、赤」などと色で分類している。国境警察が人名をチェックする時、赤の印がついていたら危険人物として諜報部に知らせなければならない。内務省は個人や団体についての記録を保管している。その人物が本紙記者に見せてくれた報告書の一つはダーフラの障がい者団体についてであったが、その名簿にある人名に「ポリサリオ支持派」などと書かれてあった。
 当局にとって「いいサハラーウィ」とは「何もしないサハラーウィ」を意味する。こうして「飼い慣らされたサハラーウィ」が追求される一方で、移住者は急速に増えている。「彼らはさまざまな行政機構、商業、交通、リン鉱石採掘や漁業、教育、保健分野にあまねく存在している」とその人物は言う。
 内務省で働くサハラーウィもいる。彼らの仕事は、危機を管理し、サハラーウィへ影響を及ぼすこと、そしてソーシャルメディアを通じてのポリサリオ戦線内部に問題を引き起こすことだ。サハラーウィで政府高官になった者たちは家族も含め監視の対象となっている。モロッコ支持派で構成する「サハラ問題に関する王立評議会」(CORCAS)は今や機能不全に陥っている。
 経済分野ではサハラーウィに対する差別があからさまだと、その人物は言う。「毎週行われ、臨時にも開かれる治安会議では、サハラーウィが貿易、農業、漁業、中小零細ビジネスによって利益を得ることがないようにし、公にモロッコの立場を擁護するサハラーウィのみが利益を得るようにせよ」との命令が下る。
 また、西サハラは違法薬物取引にとってヘイブン(免除地域)だ。西サハラはモーリタニアやポリサリオ戦線の支配地域、アルジェリア、マリ、リビア、エジプト、そしてスペインを通じてヨーロッパへ麻薬やコカインを流す経由地となっている。この麻薬取引にはサハラーウィの議員も関わっている。彼らのほんとどはスペインにアパートや家、資金をもっており、それらは麻薬取引やマネー・ロンダリングで得た金で買ったものだ。また、ラテンアメリカの船が西サハラ占領地の港にコカインを運んでおり、そこからヨーロッパに運ばれる。
 その人物によると「モロッコの西サハラ支配に関わる面々のほとんどは軍諜報部と関係ある麻薬取引で資金をえている」。その資金でヨーロッパ、アフリカ、ラテンアメリカの政治家や組織を買収したり、モロッコの主張を国際的に展開したりしているのだという。その手法の一つに、西サハラからタコをスペインに運ぶ船を使うというのがある。モーリタニアでは麻薬は野菜や果物の輸出用貨物に忍び込ませる。それらがヌアクショットに運ばれ、そこからヨーロッパに運ばれるのだ。その複雑なネットワークはインターポルや米国の捜査網をかいくぐる。
 モロッコの諜報部も漁業部門の監督を通じて資金的に支えられている。多くの諜報部員がビジネスをやっており、ダーフラで漁業会社を経営している。お金は、パリ、ベルギー、ヌアクショットを経由してカサブランカに戻ってくる仕組みだ。(El Independiente, 21 Sep. 2024)
https://www.elindependiente.com/internacional/2024/09/21/la-operacion-de-marruecos-para-vaciar-el-sahara-occidental-de-saharauis-al-descubierto/
https://archive.is/4lpjn

2025年度防衛予算、7.25%増加
 モロッコは2025年度防衛予算を1,240億ディルハム(115億ユーロ)から1,330億ディルハム(123億ユーロ)に増額する。これは人件費も含み、軍及び憲兵組織に新しいポストを創設することに伴う予算もある。また給与も増え、研究予算も増額される。さらにはアルジェリアとの対立を踏まえ、モロッコ南部(=西サハラ)及び地中海方面の安全保障のため、国境警備能力を強化する。(Defensa, 22 Oct. 2024 )
https://www.defensa.com/africa-asia-pacifico/marruecos-refuerza-defensa-aumento-significativo-presupuesto-12
https://archive.is/bemRp

【国連】
デ・ミストゥラ特使、西サハラ分割案を提示
 10月15日(水)、非公開の安保理で、西サハラに関する国連事務総長の特使、スタファン・デ・ミストゥラ氏が西サハラを南北に分割し、北部をモロッコ、南部を西サハラ(サハラ・アラブ民主共和国?)にするという案を各方面に打診したことがわかった。しかし、モロッコもポリサリオ戦線もこの案を拒否した。(Reuters, 18 Oct. 2024)
https://www.reuters.com/world/africa/un-envoy-proposes-western-sahara-partition-plan-2024-10-17/

デ・ミストゥラ氏、6ヶ月後に辞任の意向
 スタファン・デ・ミストゥラ特使は、もし仲介が上手くいかなければ半年後(2025年4月)に辞任する意向であり、加えて西サハラ問題を国連が扱うこと自体を終了する提案を行うつもりであることが、リークした安保理スピーチ原稿から明らかになった。彼が考える仲介案は2つあり、1つは分割案。北部2/3をモロッコ領とし、南部1/3をサハラ・アラブ民主共和国とする。マドリード協定によってモロッコとモーリタニアに分割しようとした、その時のモーリタニアの部分を独立国とする案だ。もう1つの案はモロッコが提示する自治案で、モデルとしてはスコットランド、グリーンランド、南チロル(イタリア)だ。スコットランドは独立を問う住民投票が行われたところ。グリーンランドもデンマークに対して自決権をもつ。南チロルの場合も、モロッコの自治案より自治の権限が広い。(El Confidencial, 18 Oct. 2024)
https://www.elconfidencial.com/mundo/2024-10-18/enviado-onu-sahara-occidental-fracaso-marruecos-polisario_3986322/

米国はコメントをさけ、EUは積極的
 西サハラ分割案について米国国務省の報道官は、質問された時、非公開の安保理会議で出たことにコメントするのは避けたいとして明言を避けた。(Europapress, 22 Oct.)
 EUは、問題の解決が、安保理決議に沿うかたちで、妥協に基づき、公正、現実的、永続的で、相互に受入可能なものでなければならないとコメントし、重要なのは地域の安定であるとも述べた。(Europa Press, 19 Oct. 2024)
https://www.europapress.es/internacional/noticia-eeuu-reitera-apoyo-enviado-onu-sahara-valorar-posible-particion-territorio-20241022174835.html
https://archive.is/nA2SV
https://www.europapress.es/internacional/noticia-ue-pide-solucion-pragmatica-sahara-occidental-nueva-propuesta-mistura-20241019182728.html
https://archive.is/6DcEv
モロッコは分割案を拒否
 モロッコのメディアによると、10月16日の安保理でデ・ミストゥラ特使が提示した西サハラ分割案に対して、10月21日(月)、モロッコ政府は拒否すると発表した。2002年(ベーカー国務長官の案)以来、モロッコの主権と領土について交渉することはないというのが立場だ、と述べた。モロッコ政府は2024年4月にデ・ミストゥラ特使から分割案については聞いており、その時点ですでに拒否を伝えていたという。(Yabiladi, 21 Oct. 2024)
https://www.yabiladi.com/articles/details/155400/maroc-rejette-partition-sahara-observations.html
https://archive.is/OcSqH

国連第4委員会、西サハラ決議を採択
 10月17日(木)、非植民地化を管轄する国連総会第4委員会は、植民地独立付与宣言にしたがい、西サハラ人民の自決権を再確認する決議を採択した。(El Watan, 19 Oct. 2024)
https://elwatan-dz.com/4e-commission-de-lassemblee-generale-de-lonu-une-decision-reaffirmant-le-statut-juridique-du-sahara-occidental-adoptee
https://noteolvidesdelsaharaoccidental.org/4e-commission-de-lassemblee-generale-de-lonu-une-decision-reaffirmant-le-statut-juridique-du-sahara-occidental-adoptee-el-watan-dz/

安保理、決議2756 (2024)を採択
 10月31日、安保理は西サハラに関する決議2756 (2024)を採択し、MINURSOの任期を2025年10月31日まで延期した。決議は、西サハラ人民の自決を可能にする公正、永続的、相互に受入れ可能な政治的解決を、妥協の精神をもって交渉で達成することを求める内容で、この点は従来と変わらない。関心の高かったモロッコの自治案の扱いについては、それを「唯一の解決策」とはせず、モロッコの努力として歓迎するとだけ述べ、合わせてポリサリオ戦線の提案にも留意すると述べた。この部分は、決議のoperative paragraph(本文)ではなく、preambular paragraph(前文)に収められ、「自治(autonomy)」とは言わず「提案(proposal)」としてだけ言及されており、自治案を押しつけるのではないかという事前の観測ははずれた(つまり米国の主張はそのままでは通らなかった)。
 アルジェリアは提案した2つの修正案が通らなかったとして、決議投票に参加しなかった。アルジェリアの提案は「国連人権高等弁務官事務所が9年間西サハラにアクセスできないでいることに憂慮する」という一文とMINURSOに西サハラでの人権監視のマンデートを与えるというものだった。人権マンデートはこれまでNGOもずっと主張してきたことであり、これまでフランス等の強い反対で実現できなかったと言われている。
 ロシアとモザンビークは棄権した。(United Nations Security Council Resolution, 31 Oct. 2024; United Nations press brief, 31 Oct. 2024)
https://www.un.org/en/media/accreditation/pdf/SCRes2.pdf
https://press.un.org/fr/2024/cs15882.doc.htm

【米国】
米国、モロッコに国際開発金融公社(DFC)支店を開設
 2019年に設立された米国の政府系開発金融機関であるDFCが、モロッコのラバトに支店を開設する。ジョハネスバーグ、アビジャン、ナイロビに次ぐアフリカで4つめの支店だ。北アフリカのインフラや鉱物資源を中心とした融資案件に取り組むことになる。(Africa Intelligence, 23 Oct. 2024)
https://www.africaintelligence.fr/afrique-du-nord/2024/10/23/washington-prepare-l-ouverture-du-bureau-de-la-dfc-a-rabat%2C110329657-bre

ゼネラル・エレクトリック社の西サハラ風力発電への参加
 2024年初め、ゼネラル・エレクトリック(GE)の子会社ヴェルノヴァ(Vernova)のモロッコ支店はモロッコ政府の電気・水道庁及びナレヴァ(Nareva)という王室の持株会社の子会社と、西サハラのエル・アイウンにグリーン水素プロジェクトを開発することにした。その後、この事業は会社の内部からと「西サハラ資源ウォッチ」というNGOから批判を浴びることになった。アルジェリアからも、アルジェリアのソナトラック(Sonatrach)との提携関係を危うくするとの警告を受けた。GEはソナトラックとその子会社ソネルガスとパートナーシップを結んでいた。
 GE本部の経営陣はその警告を受けて驚いた。ヴェルノヴァのモロッコでの事業について相談を受けていなかったからだ。GEはアルジェリアでいくつもの戦略的事業を営んでいる。2024年4月、ヴェルノヴァのジョセフ・アニス社長はアルジェを訪問し、ソネルガスのCEOと面会した。そして、「西サハラ資源ウォッチ」の手紙がGEに届いた後、ヴェルノヴァのモロッコの事業への参加をそのホームページから削除した。
 実は、「西サハラ資源ウォッチ」は2013年の時点で、ヴェルノヴァが西サハラでのプロジェクトに参加していることを批判していた。それはエル・アイウンとブージュドゥールでの風力発電事業だった。結局、ヴェルノヴァはこの2つのプロジェクトからの撤退を決めた。
 しかし、2021年、ヴェルノヴァはブージュドゥールから50kmにあるアフティサートIIプロジェクトを獲得してからは、そうした圧力に屈することはなくなった。4月末にはモロッコと英国の間のXlinksモロッコ・英国電力プロジェクト(3,800kmの送電線建設)への投資を発表している。(Africa Intelligence, 22 Oct. 2024)
https://www.africaintelligence.fr/afrique-du-nord/2024/10/22/general-electric-dans-le-viseur-d-alger-apres-s-etre-engage-dans-un-projet-au-sahara-occidental%2C110329424-eve

【カナダ】
ケベック・モロッコのビジネスリーダーが会議
 今週(10月21日の週)モロッコの一般企業連合(CGEM)の会長、シャキーブ・アリー(Chakib Alj)氏が率いるモロッコの15人のビジネスリーダーがモントリオールを訪問し、ケベック州のビジネスリーダーたちと会議を行う。モロッコ政府投資輸出開発庁のアリー・スィッディーキー(Ali Seddiki)氏も同伴する。ケベック州側からは、ケベック雇用者協会会長のカール・ブラックバーン氏が5月にマラケシュを訪問していた。2025年春にはケベックのビジネスリーダーたちがモロッコを訪問する予定だ。(Africa Intelligence, 21 Oct. 2024)
https://www.africaintelligence.fr/afrique-du-nord/2024/10/21/le-lobbying-des-patronats-quebecois-et-marocain-en-faveur-de-l-accord-de-libre-echange%2C110329301-bre

【EU】
欧州議会議員:マクロン大統領の方針転換に抗議
 9月10日、欧州議会のスペイン選出議員12名がマクロン仏大統領の西サハラ問題での政策転換に抗議する書簡をジョセプ・ボレル欧州委員会外交安全保障上級代表に送った。議員たちはGUE/NGO(左派)、グリーンズ/欧州自由連盟(緑派)、欧州刷新(中道)に属している。(Africa Intelligence, 11 Sep. 2024)
https://www.africaintelligence.fr/afrique-du-nord/2024/09/11/sahara-occidental–des-deputes-europeens-interpellent-josep-borrell%2C110284859-art

モロッコ系銀行の欧州支店が制限されるか
 モロッコの銀行は欧州7ヶ国に支店や子会社をもつ。2023年、欧州に暮らすモロッコ人からの祖国への送金額は110億ユーロに達した。とくにフランスやスペインからの送金が多い。それに対してEUはモロッコ系銀行の活動を制約する新たな法律を導入する動きがある。(TSA-Algerie, 30 Sep. 2024)
https://www.tsa-algerie.com/maroc-leurope-menace-sur-les-transferts-de-fonds-de-la-diaspora-marocaine/

EU司法裁判所、西サハラ訴訟に画期的判決
 10月4日、EUの最高裁にあたる司法裁判所は、西サハラに関連する3つの案件について同時に判決を下した。司法裁判所は、西サハラがモロッコとは異なる別な法的地位をもつ非自治地域であり、その人民が自決権を有することを認めた上で、西サハラの資源や領域をモロッコとは区別して扱うことを求めた。つまり、西サハラの資源利用は西サハラ人民の承諾なくして行うことはできず、西サハラの産品はモロッコ産とすることができないというもの。詳しくは、西サハラ友の会ホームページの「西サハラに関連するEU司法裁判所の判決について」という報告(2024年10月18日)を参照のこと。(リンク:https://fwsjp.org/archives/6430

欧州委員会は「take note」(留意する)だけ
 EU司法裁判所の判決を受けて、いわば3件すべてで敗訴したといえるEUの欧州委員会(行政担当)は、判決に「留意する(take note)」とだけコメントした。つまり、国際法を尊重し、判決に従うとは述べなかった。むしろ「Pacta sunt servanda」(条約は履行されなければならない」という原則を述べ、モロッコとの緊密な関係は継続すると付け加えた。(Western Sahara Resource Watch, 4 Oct. 2024)
https://wsrw.org/en/news/eu-commission-takes-note-of-the-eu-court-rulings

欧州理事会「外交は理事会が決める、裁判所ではない」
 EUの最高決定機関である欧州理事会(European Council)は10月16日(木)にサミット(首脳会議)を開催し、モロッコとの戦略的関係をさらに強化して行くとの声明を発表した。EU司法裁判所の判決については単に「留意する(take note)」とだけ述べ、欧州理事会こそが「条約に基づき外交政策を決定していく」と述べた。(El Pais, 18 Oct. 2024)
https://elpais.com/internacional/2024-10-18/los-veintisiete-reafirman-su-relacion-estrategica-con-marruecos-tras-la-sentencia-europea-que-tumbo-los-acuerdos-de-pesca-y-agricultura.html

スペインの漁業界「尊重するも遺憾」
 EU司法裁判所の判決を受けて、スペインの漁業連盟(Cepesca)のハビエル・ガラット事務局長は「尊重するが、遺憾だ」と述べた。スペインの漁船は「モロッコ」で、カタクチイワシ、いわし、タイなどを底引き延縄漁法でとってきた。とくに影響が大きいのはアンダルシアのバルバテ、コニル、タリファといった漁港だ。
 エル・パイス紙(2023年)によると、EUモロッコ漁業協定では、2019年にモロッコからライセンスを得たEU諸国の漁船は128隻で、その内92隻がスペインの船だった。しかし、以後3年間、ライセンスを申請したスペインの船は21隻しかなかった。さらに2023年7月に失効する同漁業協定の影響を受けるスペイン漁船でEUの補償を受けるのは11隻でしかない。なぜなら、11隻だけが過去3年間で20日以上「モロッコ」の海域で操業したにすぎないからだ。
 EUによる補償は、EUとスペイン政府が50%ずつ負担し、総額30万2,000ユーロが用意されている。補償は船の所有者とクルーの両方に支払われる。(Europa Press, 4 Oct.; El Pais, 17 Jul. 2023)
https://www.europapress.es/economia/noticia-sector-pesquero-acata-lamenta-fallo-tjue-supone-nuevo-golpe-flota-nacional-20241004143712.html
https://archive.is/DFMGt
https://elpais.com/economia/2023-07-17/solo-11-de-los-pesqueros-que-faenaban-hasta-hoy-en-aguas-controladas-por-marruecos-recibiran-ayudas-de-la-ue.html
https://archive.is/f6QCe

モロッコは「まったく気にしない」
 EU司法裁判所の判決について、モロッコ外務省は「まったく気にしない」との声明を発表した。「モロッコは訴訟には関わっていない」が、裁定は「明らかな法的不備をもっている、そしてEUに対しては国際協約を尊重するよう求める」と声明は述べている。(Yabiladi, 4 Oct. 2024)
https://www.yabiladi.com/articles/details/154824/maroc-n-est-aucunement-concerne-decision.
html

https://archive.is/IAe2j

フランスは「留意」しかしノーコメント
 EU司法裁判所の判決を受けて、フランス外務省は判決に「留意する(prend note)」が「モロッコとの例外的なパートナーシップに対しての揺るぎないコミットを再確認する」との声明を発表した。判決の内容については、フランスはコメントする立場にないと述べている。(注:とはいえ、3つの判決の1つはフランス政府を相手取って起こされたフランスの国内裁判の予備判決であるから、フランス政府は当事者であるはずだが。。。)(フランス外務省ホームページ、4 Oct. 2024)
https://www.diplomatie.gouv.fr/fr/dossiers-pays/maroc/evenements/article/arrets-de-la-cour-de-justice-de-l-union-europeenne-sur-le-sahara-occidental-04

カナリア諸島代表は沈黙
 EU司法裁判所の判決を受けて、フェルナンド・カルヴィホ(Fernando Calvijo)カナリア諸島知事は、ノーコメントだが、モロッコの自治案を支持する、サンチェス政権の政策を全面的に支持すると述べた。カルヴィホ氏は1年前、サンチェス首相の方針転換は理解できないと述べていたにもかかわらずだ。(El Confidencial, 8 Oct. 2024)
https://www.elconfidencial.com/mundo/2024-10-08/burita-arremete-contra-la-justicia-europea-e-invita-a-los-estados-de-la-ue-a-sortear-sus-sentencias_3979276/
https://archive.is/MDkFB

モロッコ:青果集荷場・水産加工場をモロッコに移す?
 EU司法裁判所の判決を受けて、モロッコではすでに対応への議論が進んでいる。アハヌーシュ首相の地盤であるモロッコ南部のアガディールに、西サハラで収穫された野菜・果物を箱詰めする集荷場を移す案が浮上している。水産会社は裁判所の判決を見越してすでに水産加工場を西サハラからアガディールやタンジェに移したところもある。西サハラで農園をもつ企業はまだ限られている。ムハンマド・ターズィ(Mohamed Tazi)が経営する仏モロッコ合弁会社のアズーラ(Azura)はトマト、王室の会社レ・ドメーヌ・アグリコール(Les Domaines Agricoles)は米国のドリスコールズ(Driscoll’s)と提携しトマト、メロン、ブルーベリーを生産している。(Africa Intelligence, 17 Oct. 2024)
https://www.africaintelligence.fr/afrique-du-nord/2024/10/17/rabat-joue-la-carte-de-l-impassibilite-face-a-l-annulation-des-accords-commerciaux-avec-l-ue%2C110328355-gra

【スペイン】
軍部隊の詳細情報がウェブで公開されていた
 8月30日、政府の公共調達部門のホームページに、スペイン軍の軍部隊の詳細がわかってしまうリストが公開されているのがわかった。それは3億ユーロに相当するスペイン軍全メンバー約75,000人分の制服・靴その他の備品の調達に関する文書であり、各部隊がどれくらいの人数でどこに配属されているかがわかるものだ。とくにセンシティブなセウタやメリジャ(モロッコに囲まれたアフリカ大陸の飛び地)の部隊情報、王室警備隊の情報も含まれている。通常これらは諜報部門でしか知りえない情報で、それが一般公開されたことに国防省は衝撃を受けている。(The Objective, 4 Sep. 2024)
https://theobjective.com/espana/2024-09-04/escandalo-defensa-ejercito-contrato/

ペガサス問題:WhatsAppとAppleの裁判、そしてスペインでの捜査
 2019年10月、WhatsAppとその親会社メタは、北カリフォルニア地方裁判所にイスラエルのNSOグループを提訴した。NSOグループはスマホに侵入して情報を抜き取るスパイウェア「ペガサス」の開発・販売者。訴えは、WhatsAppにユーザー1400人の携帯電話をターゲットにした諜報用アプリケーションのオペレーションにWhatsAppのサーバーを利用したというもの。(2025年5月の判決は、NSOはWhatsAppに1億6,700万ドルの損害賠償を支払わなければならないというものだった。NSOは控訴を考えている。)
 しかし、上記の訴訟を受けて、2020年7月、NSOの情報がこれ以上海外の裁判所の求めによって流出するのを防ぐため、イスラエル政府自らがNSOの関連文書をすべて押収してしまった。この背景は、NSOの弁護士だったロッド・ローゼンスタイン氏(トランプ政権下で副検事長を務めていた)がイスラエル政府に「何とかならないか」相談していたというもの。英ガーディアン紙が2025年7月25日に報道した。NSOの文書がすべてイスラエル政府の手に渡ったことで、同様の裁判をNSOに対して起こしていたAppleは、提訴を取り下げざるを得なくなった。裁判に必要な情報がもはや手に入らないと判断したためだ。
 2024年4月、スペインの第4捜査裁判所所長のホセ・ルイス・カラマ裁判官は、スペイン首相らに対するスパイ捜査を再開する決断を下した。実は、その9ヶ月前にこの捜査は一旦打ち切られていた。それがフランスのコンピューターセキュリティ庁(ANSSI)がスペインに捜査協力を要請してきた。スペインではサンチェス首相、マルガリタ・ロブレス国防相、フェルナンド・グランデ・マルラスカ内相が「ペガサス」に攻撃されたと考えられている。辞任したアランチャ・ゴンサレス・ラヤ元外相も自身の携帯電話が盗聴されていたことを後に認めている。
 スペインでは上記の政府高官に対するスパイ容疑だけが捜査されているが、フランスでは、西サハラ支援者のクロード・マンジャン氏(夫はサハラーウィ政治囚)、ポリサリオ戦線の在ブリュッセル代表オマル・マンスール氏、モロッコ人亡命記者ヒシャーム・マンスーリー氏に対するスパイ容疑も捜査されている。
 スペインでの捜査では、ペドロ・サンチェス首相の携帯電話は2020年10月から2021年12月までの間に5回侵入され、2.5ギガバイトのデータが盗まれたとされる。しかし、裁判所がイスラエル政府に4回NSOの情報提供を求めたが、なしのつぶてだった。それで一旦は捜査を閉じることにしたのだった。一方、フランスはどういうわけかイスラエルからNSOに関する情報提供を受けていた。(El Confidencial, 20 Sep. 2024; Voz Populi, 21 Sep. 2024; Amnesty International, 7 May 2025; Guardian, 24 Jul. 2025)
https://www.elconfidencial.com/espana/2024-09-20/pegasus-centro-criptologico-metodo-espionaje-sanchez-macron-coincide_3966117/
https://archive.is/eoQpt
https://www.vozpopuli.com/espana/caso-pegasus-francia-marruecos.html
https://www.amnesty.org/en/latest/news/2025/05/ruling-against-nso-group-in-whatsapp-case-a-momentous-win/
https://www.theguardian.com/news/article/2024/jul/25/israel-tried-to-frustrate-us-lawsuit-over-pegasus-spyware-leak-suggests

モロッコのガス危機、スペインが救済
 モロッコは天然ガスをすべて輸入に頼っている。アルジェリアが国交断絶を宣言し、2021年10月以降アルジェリアからガスを供給してもらえなくなったので、スペインからガスを供給してもらうことになった。
 2022年6月の段階では、スペインの総ガス輸出用に占めるモロッコの割合はわずか0.1%だったが、2025年6月になると18.5%になっていた。115倍に跳ね上がった計算だ。
 アルジェリアはスペインに、もしアルジェリア産ガスをモロッコに流しているとしたらアルジェリアはガス供給を止めると圧力をかけている。そのため、スペインはモロッコへのガス供給を増やすため、他のヨーロッパ諸国への配分を減らさなければならない。それでイタリアへの輸出を減らした。イタリアはロシアからのガス供給削減で困っていたが、アルジェリアとの新規契約で充足している。(Huffingtonpost, 5 Oct. 2024)
https://www.huffingtonpost.es/politica/ayuda-marruecos-espana-energia-pegaso-rp.html
https://archive.is/1sxLi

サハラーウィ亡命申請者、モロッコへ送還
 10月10日(木)深夜、マドリード・ブラハス空港から10人のサハラーウィ亡命申請者が、1ヶ月空港に留め置かれた後、モロッコのマラケシュに向けた飛行機に乗って送還された。彼らの前にも30人のサハラーウィが10月の第1週に送還されている。スペインのサハラーウィ弁護士協会の会長であるスィディ・ターレブ・ブーヤ(Sidi Talebbuia)氏によると、モロッコ当局のやり方は、個人調書を指し示してポリサリオ戦線との関係を示すというもので、そうなるとその若者は西サハラでは暮らせず、逃げるしか選択肢がなくなる。(El Pais, 11 Oct. 2024)
https://elpais.com/espana/2024-10-11/espana-cierra-las-puertas-a-los-saharauis-de-barajas-devueltos-a-marruecos-los-ultimos-solicitantes-de-asilo.html
https://archive.is/jLouX

【フランス】
ドハ・ルカスミのプロフィール
 フランスの企業コンサルタント、ESL & Networkのモロッコ事務所の副所長に抜擢されたのはドハ・ルカスミ(Doha Lkasmi)というフランス国籍を2024年に取得した若いモロッコ人だ。彼女はケニトラ生まれでラバトの高校を出た後、パリ第一大学(パンテオン・ソルボンヌ)で修士号をとり、現在パリ政治学院(シアンス=ポ)で「モロッコのグランドストラテジーにおけるサハラ」について博論を書いている。これまでモロッコ外務省で短期の仕事をしたり、パリ政治学院で教えたりしていた。(Africa Intelligence, 4 Sep. 2024)
https://www.africaintelligence.fr/le-continent/2024/09/04/maroc-zimbabwe-kenya,110278597-art

モロッコによるメディアパート提訴、失敗に終わる
 フランスのメディア「メディアパート(Mediapart)」は、モロッコがNSOグループのスパイウェア「ペガサス」を使って同メディアの創設者・編集長のエドウィ・プレネル(Edwy Plenel)のスマホに外部から侵入してデータを盗んでいたと書いたことがあり、そのためモロッコ政府はメディアパートとエドウィ・プレネルをフランスの裁判所に名誉毀損で訴えていた。その裁判の最終審が破毀院(最高裁)で行われ、モロッコの敗訴という結果に終わった。モロッコはメディアパートに対して2,500ユーロの裁判費用を支払うことが命じられた。(Mediapart, blog, 2 Oct. 2024)
https://blogs.mediapart.fr/carine-fouteau/blog/021024/liberte-de-la-presse-le-royaume-du-maroc-perd-en-cassation-contre-mediapart

フランス・モロッコ共同海軍演習
 スペインの報道によると、10月6日、フランス海軍とモロッコ海軍はモロッコ沿岸域で1週間の共同演習を開始する。フランスの核兵器搭載潜水艦が参加するのは初めてで、演習海域はカサブランカ沖と地中海になる。スペインにとっては、地中海側にあるモロッコとスペインが領有を争う島々に近いところが気になる。(La Razón, 6 Oct. 2024)
https://www.larazon.es/internacional/submarino-nuclear-frances-participa-maniobras-conjuntas-marina-marroqui_202410066702bfa86bab16000109cb38.html
https://archive.is/Ne4cx

フランス、モロッコの高速鉄道を受注
 マクロン大統領のモロッコ訪問の2日目、10月29日、フランスによるモロッコの高速鉄道建設の2番目の部分の受注が決まった。建設部分はケニトラからマラケシュまでの400kmで、受注企業はEgis、鉄道を建設するのはAlstom社。スペインもこの事業の受注を望んでいたが、それはかなわなかった。今回の訪問は9人の閣僚と120人の財界人を伴って行われ、合計100億ユーロもの契約をなしとげた。モロッコ側も最大級の歓迎を行い、両国の「和解(関係改善)」を華々しくアピールする機会となった。(El Confidencial, 30 Oct. 2024)
https://www.elconfidencial.com/mundo/2024-10-30/francia-cobra-reconciliacion-marruecos-espana-migajas-tren_3993519/
https://archive.is/Jk3yb

【イタリア】
ココアスプレッドNutkao、モロッコ王室の傘下に
 パンに塗って食べるヘーゼルナッツを混ぜたチョコレートまたはカカオスプレッドはいくつかブランドがあり、有名なNutella(ヌテラ)に他に、Nutkao(ヌットカオ)がある。いずれもイタリアのブランドだ。モロッコ王室の会社、Al Mada(アル・マダ)はNutkao社を買収した。Nutkaoはガーナにカカオ加工工場を、ベルギーと米国に製品工場をもち、欧州市場で4億5,000万ユーロの取引高をほこる。(Melilla Hoy, 13 Oct. 2024)
https://melillahoy.es/el-rey-de-marruecos-se-convierte-en-proveedor-de-mercadona-con-un-producto-dulce-de-origen-italiano/
https://archive.is/9GQjx

【中国】
中国アフリカ協力フォーラムサミット開催
 2024年9月4-6日、北京で「中国アフリカ協力フォーラムサミット」がアフリカ53ヶ国の参加をえて開催された。(西サハラ/サハラ・アラブ民主共和国は招待されなかった。)モロッコは、アハヌーシュ首相が参加。しかし、習近平国家主席が会談した42人の元首・代表のリストにアハヌーシュ首相の名前はなかった。モロッコとしては中国が米国の制裁をかわすためにモロッコに巨大工場を建設しようとしていることを重視していた。(JETRO, 17 Sep. 2024; Africa Intelligence, 2 Sep. 2024)
https://www.jetro.go.jp/biznews/2024/09/16e137926258edf3.html
https://www.africaintelligence.fr/afrique-du-nord/2024/09/02/aziz-akhannouch-representant-de-mohammed-vi-a-pekin%2C110281373-bre

【ロシア】
西サハラ海域の「タラ」に関心か
 ソ連時代漁業大国であったロシアは再び西アフリカでその権益を拡大しようとしている。ロシアはソ連時代スペインとの合弁漁業会社、ソブヒスパン(Sovhispan)社をもち、カナリア諸島から西サハラにかけての海域で操業していた。今回、モロッコの協力を得てかつての権益を復活させようと試みている。ロシアが関心をもつのは大西洋タラやスケソウダラ(pollock)、モンツキダラ(haddock)といったタラ類。2020年、モロッコはロシアの調査船がモロッコの大西洋岸漁場を調査することを許可した。ロシアのノレボ(Norebo)社はカナリア諸島のラス・パルマスの港に拠点を置き、EUでの操業を行っている。8月30日、ノレボは社名をカサ・デル・フレル(Casa del Jurel)に変え、登録をロシアから香港に移した。この企業はガリシアにも手を伸ばしている。ガリシアのノースト・マリン社(Naust Marine)がサンクトペテルブルクの造船所で建造中のノレボ・ホールディングズの新しい船に機材を提供しているからだ。
 ノレボの所有者、ヴィタリ・オルロフ(Vitaly Orlov)はラス・パルマスに8,300万ユーロの資産をもち、1億4,500万ユーロの売上げを誇る。それはメルカドナ(スペインの大手スーパーチェーン)に供給するウニオン・マルティンが2023年に稼いだ9,970万ユーロを凌ぐものだ。
 ロシアの調査船はモーリタニアの海域でも調査を行う。(Voz Populi, 3 Sep. 2024)
https://www.vozpopuli.com/espana/marruecos-entrega-rusia-control-recursos-pesqueros-banco-canario-sahariano.html

以上。