西サハラ友の会通信 No. 34(2024年1月)2023年4月・5月分

目次

【活動】
・西サハラ世界自転車ツアー、インドネシアツアーを中断、クラウドファンディングを呼びかける

【西サハラ/占領地】
・リン鉱石ベルトコンベアー、破壊される
・元政治囚、西サハラへ入国拒否

【西サハラ/解放区】
・MINURSO、ガソリン補給
・ポリサリオ創設者のインタビュー
・ドローン攻撃で住民がいなくなる
・2020年戦闘再開でベドゥインの運命は?

【モロッコ】
・7月にEUとの漁業協定が失効
・高インフレに人びとが抗議
・諜報機関チーフ、更迭か?

【アルジェリア】
・欧州への新ガスパイプライン構想、アルジェリアが有利か?

【イスラエル】
・スパイウェア会社QuaDreamの解散

【EU】
・漁業協定の延長を断念
・欧州市場でのモロッコ産品の興隆

【スペイン】
・外相更迭は、モロッコの要請だった
・ガーリー書記長のスペイン入国反対の旗振り役のモロッコ人
・スペインのディーゼル消費量の10%はモロッコ経由のロシア産
・モロッコ漁船、スペイン領海で違法操業
・スペイン警備隊、モロッコの不法漁業者を追い出す
・アルジェリアへの輸出業者、協会を設立
・モロッコが選挙に介入か?
・プッチダモン氏、西サハラリン鉱石の輸入を批判

【イタリア】
・チンドゥーフにビザ交付センター開設

【イギリス】
・第4回英モロッコ戦略対話における西サハラ

【ポルトガル】
・第14回ポルトガル・モロッコハイレベル会合

【米国】
・モロッコの自治案ー数ある提案の一つ?

【オーストラリア】
・ポリサリオ戦線豪代表、モロッコに制止される


【活動】
西サハラ世界自転車ツアー、インドネシアツアーを中断
クラウドファンディングで新たに支援を要請
 12月14日、サナさん・ベンジャミンさんの2人はインドネシアを出国し、スウェーデンに戻らざるを得なくなりました。インドネシアには10月17日に入国し、12月に入ってビザの延長をしようと移民管理局に行ったら、突然延長不可を言い渡されたそうです。12月13日には、彼らの滞在の保証人になっていた人の家へ警察がやってきて2人を探しているということがわかり、危険を感じて出国することにしました。それまで各地の大学等で公に講演を行い、マスコミにもさまざまに取り上げられていました。
 2人はスウェーデンに戻り、壊れた自転車の修理代や突然必要となった帰国便のチケット代をクラウドファンディングで集めています。今後もツアーを継続するつもりです。支援いただける方は以下のサイトからお願いいたします。35,000クローネ(約49万円)をゴールにしていますが、まだ15,800クローネ(約22万1,000円)しか集まっていません。

Emergency fundraiser for Bike4WesternSahara
https://www.gofundme.com/f/emergency-funding-for-Sanna-and-Benjamin?utm_campaign=p_lico+share-sheet&utm_medium=copy_link&utm_source=customer

【西サハラ/占領地】
リン鉱石ベルトコンベアー、破壊される
 西サハラ資源ウォッチによると、ブークラーからエル=アイウンの港までリン鉱石を運ぶ100kmのベルトコンベアーの一部が爆弾で破壊されたもようだ。5月23日に爆破があり、ビデオのアラビア語はポリサリオ戦線が関与しているように主張しているが、ポリサリオ戦線もモロッコもこの件についてはノーコメントのままだ。(Western Sahara Resource Watch, 26 May 2023)
https://wsrw.org/en/news/bomb-destroys-phosphate-conveyor-belt

元政治囚、西サハラで入国拒否
 68才になる元サハラーウィ政治囚、スィードアハメド・ハニーニー(Sidahmed Hanini)と妻がカナリア諸島(スペイン領)からエル=アイウンに入国しようとしたが、拒否された。パスポートと携帯電話を取り上げられ、空港に15時間留め置かれた後のことだ。理由は彼が活動家で、カナリア諸島のポリサリオ戦線事務所で働いたことがあるからだという。スィードアハメドはポリサリオ戦線の元戦闘員で1984年5月にモロッコ軍に捕まった。12年間監獄で過ごし、1996年10月に赤十字国際委員会と国連の仲介で釈放された。(El Independiente, 28 May 2023)
https://www.elindependiente.com/internacional/2023/05/28/marruecos-impide-la-entrada-de-un-ex-preso-saharaui-de-78-anos-a-los-territorios-ocupados-del-sahara-occidental/

【西サハラ/解放区】
MINURSO、ガソリン補給
 4月5日から7日にかけて、MINURSOは砂の壁の東部(=解放区)のチーファリーチーとムハイリスにある2つのチームサイトに、ポリサリオ戦線とモロッコの協力を得て、補給(特にガソリン)を行うことができた。3月30日に両者が地上での補給に合意したことを受けて実現した。(国連事務総長報道官、10 Apr. 2023)
https://press.un.org/en/2023/db230410.doc.htm

ポリサリオ創設者のインタビュー
 1975年12月5日に発表されたポリサリオ戦線創設者エル=ワーリー・ムスタファー・サイェド(El Ouali Mustapha Sayed)のポール・バルタ記者によるインタビューが2023年5月10日に再掲載された。以下はその内容。
 ムスタファー・サイェド:ポリサリオ戦線は1973年サハラーウィ人民の諸グループが会議を行い、設立を宣言した人民の組織である。以前は別な名前をもった政治的運動だった。フランスにも、自分たちの権利を守るための人民の組織があった(第二次大戦中の人民戦線)。自決と独立に対するサハラーウィの正統な権利を守る組織だ。
 ポール・バルタ:8日間戦士と共に暮らし、星空の下で寝起きした。ジュディリーヤ(Jdiriya)という11月2日にモロッコ軍に占領された戦闘地域に行った。大変驚いたのは人びとが圧倒的にポリサリオ戦線を支持していたことだ。モロッコ軍の侵攻は10月31日に始まり、ジュディリーヤ、ファルシア、ハウザの3地域は11月2日には占領されてしまった。
 ムスタファー・サイェド:わが人民は武器を使って闘うことになれている。モロッコ侵攻の前、わが軍はたかだか1,000人ぐらいだったが、今では多くのサハラーウィが人民戦線兵士のように武器をもっている。
 ポール・バルタ:最近の情勢はどうか?
 ムスタファー・サイェド:国中で衝突が起きている。とくにモロッコはエル=アイウンとスマラの間の道路を寸断しようとしている。エル=アイウンから近いタフダールト(Tafoudart)の衝突は重要だった。
 ポリサリオ戦線はこれらの町を包囲し、町の中心に迷路のような罠をしかけ、待ち伏せ攻撃をして、モロッコ軍に抵抗している。モロッコ軍はめったに町から出ようとしない。人民戦線は第一にサハラーウィの生きる権利、独立する権利を実践しようとしているわけで、そのために政治的な思想を前に出しすぎないようにしている。
 ポール・バルタ:あなた自身の政治的立場は?
 ムスタファー・サイェド:私はナショナリストだ。そのために戦線の内部ではさまざまな立場があっても意見の統一、立場の統一が合意されている。
 エル=ワーリーは、9月9日にスペインの外相と会談を行い、一晩中議論したことをわれわれに明かした。
 ムスタファー・サイェド:議論の最後、われわれはいくつかの原則に合意した。その内の一つが、スペインはサハラーウィ人民の自決と独立の権利を擁護するというものだった。
 しかし、エル=ワーリーは、スペインがモロッコとうまくやるために180度方向転換したことを苦々しく思い出す。彼は言う。「理解できないことだ。言ったことを守らないなんて。それは言葉に名誉をかけるスペイン人らしからぬ行いだ」と
 ポール・バルタ:サハラは独立してやっていけるのか?
 ムスタファー・サイェド:植民地主義は、そこに利益があるからやってきたなどとは決して言わない。彼らの言い訳は、ここの住民は自活できないとか、自治ができないとかいうものだ。いずれにせよ、サハラーウィは独立を求めており、そのために武器をもって立ち上がっている。何かの利益のために他人を殺すなどというのは、人として最大の罪だ。(RFI, 10 May 2023)
https://www.rfi.fr/fr/connaissances/20230510-entretien-avec-el-ouali-mustapha-sayed-leader-du-front-polisario-sur-l-occupation-marocaine-du-sahara-occidental

ドローン攻撃で住民がいなくなる
 今や解放区はモロッコ軍のドローン攻撃にさらされ、住民はアルジェリアの難民キャンプかモーリタニアに居を移さざるをえなくなっている。また、解放区内を車で移動することは危険なことになっている。
 アブドゥッラー・ラミーン・ハーミドは1月前、モロッコのドローンで従兄弟をなくしたという。ポリサリオ戦線支配区域を親戚とランドクルーザーで水を運んでいるところだった。従兄弟のアル=サーレフはライトもつけず砂漠を走っていた。最近サハラーウィはみなそうしているからだ。ドローンで攻撃され、彼は死んだ。他は生き残った。
 このことがあってからハミドは西サハラのオアシスの町、ムハイリス(Mehaires)からモーリタニアのビール・モグレイン(Bir Moghrein)に引っ越した。そこで家族が経営する店を管理している。「私はラッキーだ。家族がこの店をもっていたからね。多くの人は働く場所がなく、難民キャンプで所在なくしている」と彼は言う。ムハイリスには約12,000人がいたと推測されるが、その元市長によると、ほとんど全員が避難民となり、多くが難民キャンプに逃げたという。
 避難の最大の理由はドローンだ。2020年の戦闘再開以後、モロッコ軍はドローンによって優位に立った。昨年イスラエルの監視用ドローンを150機購入した他、中国製ドローンのウィン・ロンやトルコ製ドローンバイラクタルTB2も購入している。
 他にも、欧州へ不法移民となって逃げる若者たちがいる。モーリタニアのビール・モグレインはその中間地点となっており、あるレストランでは日暮れ時十数人のサハラーウィを乗せて出発する車があった。目的地はチンドゥーフ。難民キャンプに暮らす親戚が欧州への道筋をつけてくれるという。
 密売も行われている。ビール・モグレインからアルジェリアへ向かう幹線道路と平行して走る非公式の道路があって、西アフリカの港から北アフリカへ燃料、タバコ、時にはドラッグを運ぶ。最終地が欧州の場合もある。
 サヘル地方のイスラーム急進派も若者を引きつけている。マリやブルキナファソへ行き、イスラーム国サヘル州(IS Sahel: Islamic State Sahel Province)に合流するサハラーウィの若者たちがいるのだ。
 かつてポリサリオ戦線軍組織の一員だったサイーディによると、ドラッグや移民ビジネスは極度に貧困な難民にとって魅力的だという。「指導部がやめろと言おうものなら、トラブルが起きるだけ」と語る。一方、イスラーム急進派については手厳しい。移民の輸送ビジネスに関わり難民キャンプに家族がいるというモンバルによると、モロッコ兵に対するジハードは祖国、名誉のジハードであって、金目当てではないが、サヘルで闘っているサハラーウィは、ポリサリオ戦線が掲げる目的を放棄し、他国の戦争に加わっているわけで、戻れば犯罪者として処罰されるような者たちだ、という。
 とはいえ、イスラーム国サヘル州の上級幹部たちの多くは西サハラ出身者であり、ポリサリオ戦線で軍事訓練を受け、その後離脱してサヘルに行った者たちだ。ただ、ビール・モグレインにいるサハラーウィたちはもっぱら祖国の戦争のことを考えている。ミント入り緑茶を入れる炭のコンロの周りに座ってハミドとモンバルが話していたのは、ポリサリオ戦線は確実に勝利するということだった。「サハラーウィの兵士は自分たちの側に義があると信じているが、モロッコ兵は給料のために壁にいるだけ。最後は、力によって奪われたものは力によって回復されるのだ」とモンバルは言った。(The New Humanitarian, 17 May 2023)
https://www.thenewhumanitarian.org/news-feature/2023/05/17/morocco-sahrawi-drone-attacks

2020年戦闘再開でベドゥインの運命は?
 アル=ベトゥール・ブラーヒームのような約3万人の遊牧サハラーウィは、アルジェリアの難民キャンプではなく、ポリサリオ戦線が支配する地域(=解放区)の草地に住んでいた。しかし、それも2020年に停戦が終わり、彼の家族が砲撃で殺されるまでのこと。彼は難民キャンプのスマラ地区のはずれに避難してきて、キャンプの中には暮らしていない。彼によると、2022年1月にドローンで攻撃され、山羊、テント、スペイン時代の書類などすべてをなくしたという。「すべてをなくしてやってきた。女たちは子どもを背中におぶって、5日間食べ物も水もなく、キャンプに到達した」と80才代になるブラーヒームは語る。
 1975年から1991年の第一次戦争期、約10万人のサハラーウィが難民となった。ポリサリオ戦線は攻撃の危険から守るため、人びとを難民キャンプに連れて行った。しかし、彼の家族はそれを拒否した。「われわれはベドウィンであり、家畜を追うのが生業だ」という。別な避難民アラビー・アブドゥルラフマーンは「難民になった当初から、難民キャンプには入らず、解放区に留まった。われわれは脆弱な民族であり、ここの(砂漠の)気候は合わない」と言う。そして広がる砂漠の平原、極端な気温、強風(シロッコ)、植生の不在を嘆く。
 SMACO(サハラーウィ問題調整事務所)によれば、停戦破棄以来ドローンで100人程が死亡しているという。ドローン攻撃の多くは北部のマフべス付近に集中している。視覚障害のあるI. マウルード(I. Mauloud)は、車が故障して止まっているときにドローンに攻撃され、夫が亡くなった。「そんなことが自分たちに起こるなんて想像もしていなかった」という。こうした事態になって、5,000人が解放区を逃げ出した。「サハラーウィ地雷アクション女性チーム」のファティーマトゥ・ブシュライアは、地雷除去活動をしていたときに家畜を置き去りにして逃げてくる人びとに会った。「私たちは戦争に影響を受けた人たちであり、優先的に避難をさせた。彼らは解放区にいたベドウィンたちで、紛争が終わればまた戻る人たちだ」と彼女は言う。(EFE/yahoo!noticias, 19 May 2023 )
https://es-us.noticias.yahoo.com/doble-exilio-nómadas-saharauis-lucha-100837547.html

【モロッコ】
7月にEUとの漁業協定が失効
 モロッコのムハンマド・サディーキー農相は4月5日、7月17日にEUモロッコ漁業連携協定が失効するのに伴い、モロッコとしてはあらゆるシナリオに備え、協定の更新に向けて交渉する用意があると、述べた。漁業協定と関連議定書は2019年に4年の期間をもって始まり、138隻の漁船に対してライセンスを与えた。最大の受益国はスペインでアンダルシア、カナリア諸島、ガリシアの93隻がライセンスを得ている。2021年一般裁判所がポリサリオ戦線有利の判決を出し、欧州理事会側が控訴している。(Swissinfo/EFE, 5 Apr. 2023)
https://www.swissinfo.ch/spa/marruecos-ue_marruecos-dice-que-negociará-el-acuerdo-pesca-con-la-ue-con–otra-regla-/48419658

高インフレに人びとが抗議
 2023年第一四半期のインフレ率が9.8%に達したことで、左派政党や組合が4月8日、カサブランカ、ラバト、タンジェ、マラケシュで一斉に抗議デモを行った。カサブランカでは60人以上、ラバトでも60人が国会前で気勢を上げた。昨年同時期のインフレ率は4%だった。特に食品はラマダン(断食月)中に18.2%も上がっている。今回経済成長率は3%、中央銀行は金利を3%に引き上げた。(France24, 9 Apr. 2023)
https://www.france24.com/fr/afrique/20230409-au-maroc-des-manifestations-dans-plusieurs-villes-contre-la-chert%C3%A9-de-la-vie

諜報機関チーフ、更迭か?
 アルジェリアの報道によれば、モロッコの対外諜報機関DGEDの長官ムハンマド・ヤーシーン・マンスーリー(Mohamed Yassine Mansouri)がこの数日姿が見えない。モロッコのメディアは彼を「終わった人物」と評している。おそらくモロッコゲートに関わって逮捕された3人との直接的な関係が独誌シュピーゲルによって暴露され、そのため更迭されたのではないかと思われる。米国のウィリアム・バーンズCIA長官の訪問を受けたのは、国内諜報機関DGSTの長官アブドゥッラティーフ・ハンムーシーだった。また、可能性としては、米国側からマンスーリーを信用できない相手として遠ざけたのではないかとも考えられる。いずれにせよ、マンスーリーが更迭されたとすれば、ハンムーシーの株が上がるだろう。(El Watan, 16 Apr. 2023)
https://elwatan-dz.com/le-chef-de-la-dged-a-disparu-des-radars-depuis-plusieurs-jours-les-services-marocains-mines-par-les-tensions-internes

【アルジェリア】
欧州への新ガスパイプライン構想、アルジェリアが有利か?
 ナイジェリアから欧州への新しいガスパイプライン構想において、モロッコ経由かアルジェリア経由かで熾烈な競争が展開されていたが、主要な融資者となるアフリカ開発銀行(ADB)はアルジェリアを選んだ。アキンウミ・アデシナADB総裁は、アルジェリア経由となるトランス・サハラガスパイプライン(TSGP)構想を支持し、アルジェリアがアフリカの低所得国を支援していること、アフリカ開発基金再編への1000万ドルの拠出などに触れた。とはいえ、これですべて決まったとは言えない。アルジェリアは優位に立ったと言えるが、モロッコもナイジェリアと2022年7月に覚書を交わしており、まだ諦めてはいないだろう。(Tunisie Numérique, 23 May 2023)
https://www.tunisienumerique.com/algerie-maroc-la-bad-choisit-le-gazoduc-dalger-vers-leurope-en-chantant-le-panafricanisme-de-tebboune/

【イスラエル】
スパイウェア会社QuaDreamの解散
 悪名高いNSOグループのスパイウェアPegasusに匹敵するスパイウェアReignを生産していたQuaDreamが、解散すると発表した。PegasusもReignも、iPhoneに忍び込ませ、気付かれることなくデバイス内のあらゆる通信や情報にアクセスできるプログラムだ。会社解散の理由のひとつは、イスラエル政府からモロッコを含む新しいクライアントに対する販売許可が得られなかったからだという。他にも開発投資した技術が製品化されなかったからという理由もあり、その中にはAndroidをハックする技術があったという。
 業界をリードするNSOは欧州で人気を誇るが、2位に甘んじるQuaDreamはアジア、アフリカ、中東のNSOとの契約ができなかった国々を顧客にする。その最大の相手はモロッコだった。モロッコとの協議は2021年8月に始まった。それまでモロッコはNSOの顧客とされていたが、モロッコがペガサスを悪用したとの報道があって、イスラエルはペガサスのモロッコへの売却を禁止した。ペガサス問題が浮上して、米国の怒りを買ったからか、ネタニヤフはイスラエルのサイバー兵器産業を大幅に縮小した。2021年11月、あるアフリカの国が米国務省職員をペガサスでスパイしたことが明らかにされ、米国はCandiruとNSOの2つをブラックリストにした。NSOはすでにアップル、メタ、WhatsAppから、彼らのアプリをデバイスへの感染に使ったことで裁判に訴えられている。
 それへの対応として、イスラエルは攻撃的なサイバーテクノロジーを売っていい国を100ヶ国から35ヶ国に減らした。35ヶ国は主に西側の民主主義国だ。それで国内の企業がいくつか閉鎖に追い込まれたというわけだ。QuaDreamはキプロスのフロント企業を使わず、4つの非西洋諸国との交渉に過大に力を入れてきた。しかし、政府から認可されず、新たな契約も得られそうになかった。(Haaretz, 22 May 2023)
https://www.haaretz.com/israel-news/security-aviation/2023-05-22/ty-article/.premium/israel-torpedoed-morocco-spyware-deal-and-nso-competitor-quadream-shut-down/00000188-425a-d805-a7c9-dbdbd7f50000

【EU】
漁業協定の延長を断念
 オランダの農水相が議会に対して行った3月28日付回答書から、EUはモロッコとの漁業協定を延長しない方針だということが明らかとなった。漁業協定は7月18日に期限が切れるが、今年中に出ると予想される欧州司法裁判所(控訴審)の判決が出る前には延長はしないとの方針であるようだ。西サハラ資源ウォッチが公表した。2021年9月、EU一般裁判所(一審)ではポリサリオ戦線が勝訴し、EU側が控訴していた。現在、EUの128隻の船が西サハラ占領地の海で不法に操業している。(Algérie Press Service, 10 May 2023)
https://en.aps.dz/monde/155513-la-commission-europeenne-exclut-une-extension-de-l-accord-de-peche-ue-maroc-etendu-au-sahara-occidental
https://elwatan-dz.com/accord-de-peche-uemaroc-etendu-au-sahara-occidental-la-commission-europeenne-exclut-une-extension

欧州市場でのモロッコ産品の興隆
 2021年、欧州で売られた生トマトの67%はモロッコ産だった。スペインの農家は不公正な競争だと主張している。モロッコがグローバルな農業国として興隆したのはこの数年のこと。欧州への地理的近さ、EUとの協定、低コストといった優位さがある。最低賃金は1日€7だ。モロッコ政府はグリーンジェネレーション2020-2030戦略をもって、農業生産を倍増する野心的計画を進める。トマト、オリーブ、アルガンオイル、柑橘類は米国、ロシア、そして欧州に売られている。
 スペインの貿易研究所(ICEX)のデータによれば、モロッコの1,800万片の農地のうち15%しか灌漑がなく、政府はその拡大を狙っている。近代化には投資が必要で、欧州への物資の輸送を促進するためのタンジェ港の開発が鍵となる。モロッコの北部及び沿岸部は肥沃とはいえ砂漠地帯または準砂漠地帯であり、水が不足している。モロッコはイスラエルと2020年に結んだ協定が、世界をリードするイスラエルの水管理技術の支援に繋がると期待している。(TeleCinco, 16 May 2023)
https://www.niusdiario.es/internacional/africa/20230516/irresistible-marruecos-supermercados-fruterias-europa_18_09526825.html

【スペイン】
外相更迭は、モロッコの要請だった
 2021年7月10日、サンチェス首相がアランチャ・ゴンサレス・ラヤ外相を更迭したのは、7月2日、モロッコがそう要請したからだということが明らかになった。5月17日・18日、モロッコがセウタに1万人の移民希望者を送り込んだことで発生したスペイン・モロッコの危機打開のため、7月2日にラバトで密かに会合をもったのはスペインのモロッコ大使とモロッコのスペイン大使だった。モロッコ側が関係改善の条件としてラヤ氏の更迭を求めた。(ブラーヒーム・ガーリーポリサリオ戦線書記長のスペインでの入院を受け入れたことで。)ただ、スペイン外務省は、この話を否定している。(El Confidencial, 19 Apr. 2023)
https://www.elconfidencial.com/espana/2023-04-19/sanchez-destituyo-gonzalez-laya-ministra-despues-peticion-marruecos_3613550/

ガーリー書記長のスペイン入国反対の旗振り役のモロッコ人
 2021年4月、ポリサリオ戦線のガーリー書記長が入院のためスペインに入国した際、マラガ市で5月18日に抗議デモを主導したイマーン・アル=アーキル(Iman El Akel)は、モロッコのアジズ・アハヌッシュ首相の右腕だ。アル=アーキルはグラナダ大学で政治学を学び、現在不動産会社と法律会社の2つに勤めている。彼女はアハヌッシュ首相率いるモロッコの政党、独立国民連合(RNI)の人権委員会の委員としてウェブサイトに公表されている。一方、アル=アーキルはスペイン国籍をもち、来る5月のマルベラ地方選でのPSOE(社会労働党)の比例候補者リストの14番目に登場している。つまり、二重党籍をもっているのである。PSOEは現有10議席しかないため、14番目だと当選の可能性は低い。また、彼女は2019年3月マドリッドでRNIが開催した会議で発言もしている。彼女の右には、当時農相だったアハヌッシュ氏が座っている。
 在スペインモロッコ移民の投票権は長く議論されてきた。モロッコ側からするとスペインは移民の統合を口にしているが、スペインに長く住んでも投票権が与えられないことに不満なようだ。しかし、2011年頃、スペインとモロッコは両国の移民に相互に自治体レベルでの投票権を与える協定を結ぼうとしたことがあったが締結に至らず、以来両国政府ともに関心を失った経緯がある。協定がないとすれば、それは両国の責任であり、スペインだけの責任ではない。アル=アーキル氏はRNIに協定を進めるよう公に要請したことはないようだ。
 モロッコ人政治家の二重党籍問題は、実はそれほど驚くべきことではに。ムハンマド・シャーイブ(Mohamed Chaib)は、カタルーニャ州議会の議員(カタルーニャ社会党)であり、一方で、モロッコ政府に対する助言組織である海外モロッコ人協議会のメンバーでもあった。そのメンバー資格はモロッコ国籍である。スペインとモロッコの間には二重国籍協定はない。この4月7日、モロッコの上院議長であるエンナアム・マヤーラ(Enaam Mayara)氏は、イスティクラル党の女性たちが集まった前で、「スペインのモロッコ人コミュニティは圧力の道具とみるべきであり、この友好国(スペイン)の外交政策に影響を与える力となるべきである」などと述べた。彼の発言は何人かの政治家の批判を受け、彼は発言を撤回しなければならなかった。(El Confidencial, 20 Apr. 2023)
https://www.elconfidencial.com/espana/2023-04-20/iman-el-akel-mano-derecha-primer-ministro-marruecos-espana-concurre-psoe-marbella_3612122/

スペインのディーゼル消費量の10%はモロッコ経由のロシア産
 モロッコがロシア産ディーゼルをスペインに輸出し始めたという報道を受けて、政府が調査を始めた。2015年以来初めてのことだ。2月5日、EUと米国はロシア産ディーゼルの輸入を禁止し、ロシアへの制裁を支持する国もそれにしたがった。しかし、そこにモロッコは含まれておらず、モロッコは2022年終わりからロシア産ディーゼルの輸入を1日700万リットルのペースで開始した。そして、ディーゼルをスペインに販売し始めた。モロッコはそれまで輸入したディーゼルをすべて国内で消費し、輸出したことはなかった。それが1月以降、ディーゼルをスペイン、トルコ、ガーナ、アフリカの南部諸国に売り始めたのだ。今やスペインのディーゼル消費量の10%がモロッコから来ている。(El Mundo, 28 Apr. 2023)
https://www.elmundo.es/economia/empresas/2023/04/27/644ac61afc6c83f47d8b45b8.html

モロッコ漁船、スペイン領海で違法操業
 モロッコの漁船がスペイン領海内で違法な漁法でもってクロマグロや太刀魚を中心とした漁をしていると、スペインの漁業者がクレームを発している。先週末は少なくとも60隻のモロッコの漁船が操業していたという。彼らはタンジェ港に水揚げして、産地をごまかそうとしている。カルボペスカ(Carbopesca)という漁業者団体がクレームを公にした。クレームによると過去24時間だけでも十数隻のモロッコの船がスペイン領海で漁をしていたという。「警告を発すると、すべてすぐに引き返すように号令をかけていた。違法な漁をしているという自覚があるのだ。しかし、その後また彼らはもどってくる」と述べる。また、「彼らはクロマグロや太刀魚をとってタンジェに水揚げし、そこからイタリアなど欧州に売っている」とも。「モロッコの船はわれわれの目の前にいて、いつでも引き返す用意をしている」という。モロッコの漁船は夕暮れに網をしかけ、深夜の2時から朝の7時か8時にかけて網を引き揚げ、モロッコに戻っていく。それを繰り返している。「流し網(driftnet)」漁法は通常夜中に行われ、魚にとっても人にとっても目に見えにくい。しかし、スペイン政府は有効な防止策をとっていない。最近、2隻の監視船が地域にいたが、何もしなかったという。流し網漁法は、鉛の重しをつけ海中に縦に網を張る漁法で多くの地域で違法とされている。他の魚もことごとく網に引っかけてしまうからだ。(Voz Populi, 28 Apr. 2023)
https://www.vozpopuli.com/espana/marruecos-tanger-pescado-espana.html

スペイン警備隊、モロッコの不法漁業者を追い出す
 スペイン漁業者の要請と国民党(PP)の質問を受けて、警備隊がモロッコの漁船を領海から追い出すようになった。監視体制が組まれ、許可されない船が見つかった場合はただちに行動するようになった。また、モロッコ側当局とも連絡をもち、違法な漁法(流し網)やスペイン領海への侵入を行わないようにしているという。モロッコ政府もこの点については協力的だ。(El Español, 14 May 2023)
https://www.elespanol.com/espana/20230514/guardia-civil-pesqueros-marroquies-espanolas-denuncias-pp/762923717_0.html

アルジェリアへの輸出業者、協会を設立
 スペインが西サハラ問題でモロッコ寄りに立場を変えたことに対する事実上の制裁として、アルジェリアがスペインからの輸入を止めている問題について、スペインの輸出業者たちは来週金曜日、「アルジェリア危機で影響を受けた企業協会」を設立し、政府の責任を問うことにした。議長はアラゴンの機械製作会社アエコムヘル(Aecomhel)の経営者フリオ・レブレト氏で、同社の事業の95%はアルジェリアにある。協会には15社ほどが参加し、カステリョンの陶器製造会社(ANFFECC)も含まれる。そのスポークスパーソンであるバルバラ・ブレヴァ氏は、政府の外交的転換による損害は1億ユーロ以上になると見積もっている。影響を受けた企業は主にアラゴン州、ヴァレンシア州、カタルーニャ州の企業だが、協会参加を渋った会社もある。声を上げたことで将来ビジネスを再開できないことを危惧したのだ。それで協会設立が遅れた。(El Confidencial, 10 May 2023)
https://www.elconfidencial.com/economia/2023-05-10/empresarios-perjudicados-argelia-asociacion-demanda-estado_3626218/

モロッコが選挙に介入か?
 スペインの警察はメリリャでの選挙にモロッコが票の売買に関わったと見て捜査を行っている。警察筋によると、モロッコはメリリャでの影響力増大を図るため、ムスリム政党「メリリャ連合」に投票するよう1万票を買うための資金を地下ルートを通じて送ったとされる。1万票といえば、2019年の選挙で投票された34,393票の1/3にあたる。1票につき€50から€200支払ったと考えられ、そうすると総額は€50万から€200万になる。これには仲介者に払われた分は含まれない。メリリャでの票の売買は根深い問題だとされてきたし、政治家が有罪判決を受けたりもしている。しかし、今回のケースは専門家によると「あまりにもあからさま」だという。(El Confidencial, 20 May 2023)
https://www.elconfidencial.com/espana/2023-05-20/marruecos-melilla-policia-guardia-civil-cni-votos-investiga_3632804/

プッチダモン氏、西サハラリン鉱石の輸入を批判
 カルラス・プッチダモン(Carles Puigdemont)はカタルーニャの独立を掲げる政治家で、2017年にカタルーニャ州知事に選出され、独立の手続きを進めたため中央政府から解任され、現在はベルギーで事実上の亡命状態にある。その一方、彼は2017年の欧州議会選挙で当選しており、現在は欧州議会議員をつとめる。
 彼の批判は、モロッコリン鉱石公社(OCP)が契約している法律会社の一つにPalacio y Assiadosがあり、Palacioとは、国民党の元外務担当だったアナ・パラシオのことを指しているということ。また、EUは2017年5月に占領地からの鉱物資源の輸入を禁じる法規制を採択したが、ヨーロッパのリン鉱石総輸入額の50%がモロッコから来ている事実を指摘し、議会で2017年の法規制は西サハラのリン鉱石に当てはまるのかどうかを質問している。欧州委員会はまだこれに答えていない。(The Objective, 31 May 2023)
https://theobjective.com/economia/2023-05-31/puigdemont-bruselas-comercio-sahara/
 
【イタリア】
チンドゥーフにビザ交付センター開設
 メローニ首相率いるイタリア政府は、イタリア人コミュニティがほとんど存在しないアルジェリアのチンドゥーフにビザ交付センターを開設した。チンドゥーフは人口16万人、サハラーウィ難民キャンプを近くに擁する。イタリアのアルジェリア大使、ジョバンニ・プリエーゼ氏は「サハラーウィの闘いとの連帯の長い歴史がある」とその理由を隠さない。
 ビザ交付センターは、すでに67政府と契約し、世界145ヶ国でビザ交付処理を行っているVFS Globalという会社が管理する。スペインの「平和な夏休み」とよく似た「平和のための小さな大使」という、250人の子どもをホームステーに預かるプログラムのためのビザ手続きを円滑化するためのパイロット事業として開設された。
 ウクライナ戦争が始まって以後、イタリア・アルジェリア関係は強化されてきた。ロシアに代えて、アルジェリアからの天然ガス輸入を増やす契約を結んだからだ。そこにスペイン・アルジェリア関係の危機が重なり、イタリア・アルジェリア関係はますます親密になった。メローニ首相自身、2020年にはサハラーウィ難民キャンプを訪問したことがあり、自分の国を真に愛することがどういうことかよく理解した、などとコメントしている。(El Independiente, 19 May 2023)
https://www.elindependiente.com/internacional/2023/05/19/meloni-mejora-sus-lazos-con-los-saharauis-con-un-consulado-y-refuerza-su-posicion-comercial-en-argelia/

【イギリス】
第4回英モロッコ戦略対話における西サハラ
 5月9日、イギリスとモロッコは第4回英モロッコ戦略対話を開催し、その共同声明を発表した。発表は11日付けで行われた。その中の西サハラについての部分の概要は以下の通り。対話はナセル・ブリタモロッコ外務大臣とアハマド・ウィンブルドン中東北アフリカ・南アジア・国連担当外務閣外大臣が行った。
 英国の西サハラ問題に対する立場は、妥協に基づき、国連憲章の原則と目的に合致するかたちで、当事者が、正義ある、永続的で、相互に受け入れ可能な政治的解決に達することを支援するというものである。また、英国はこれまでの国連決議と自決を含む原則の重要性を繰り返し述べた。
 英国は、本係争解決における国連の排他的な役割を強調し、国連安保理決議2654(2022年決議)を支持する。同決議は、当事者の役割と責任に留意し、MINURSO監視サイトのチームの安全で定期的な復活を呼びかている。英国はまたモロッコの解決に向けた真剣な努力を認める。
 英国とモロッコは国連事務総長特使スタファン・デ・ミストゥラ氏の努力を全面的に支持し、デ・ミストゥラ氏ができるだけ早い時期に自由なアクセスをもって地域を訪問する機会があることを期待する。(UK Government, 11 May 2023)
https://www.gov.uk/government/publications/morocco-uk-strategic-dialogue-session-4-joint-declaration-2023/fourth-session-of-the-moroccan-uk-strategic-dialogue-and-second-session-of-the-association-council-of-the-uk-morocco-association-agreement-joint-decl

【ポルトガル】
第14回ポルトガル・モロッコハイレベル会合
 5月12日、アントニオ・コスタ首相とアジズ・アハヌッシュ首相を筆頭とする両国政府の代表団が会議を行い、共同声明を発表した。その中における西サハラ問題の部分は以下の通り。
 ポルトガル政府は国連の排他的な役割を強調し、国連安保理決議2654(2022年決議)を支持する。決議は、現実的で、プラグマティックで、妥協に基づく永続的な政治的解決を求める当事者の役割と責任を強調している。
 この文脈において、ポルトガルはモロッコが2007年に提示した自治案を、現実的で、真面目で、信用のおける提案として支持し、それが国連の枠組みにおいて合意される解決策となることを期待する。(Portuguese government, 13 May 2023)
https://www.portugal.gov.pt/pt/gc23/comunicacao/comunicado?i=declaracao-conjunta-relativa-a-xiv-reuniao-de-alto-nivel-portugal-marrocos

【米国】
モロッコの自治案ー数ある提案の一つ?
 5月15日に行われた国務省記者会見で、パテル報道官は記者と以下のやりとりをした。
 記者:先週末、国務長官はモロッコのブリタ外相に電話をしたようだが、その要旨の中にモロッコの西サハラ自治案についての言及がなかった。それは、それを希釈するような政策変更があったのではないかという解釈を生んでいる。それについて何か。
 報道官:米国の立場に変更はない。われわれは、モロッコの自治案を真面目で、信用がおけ、現実的なものであり、西サハラ人民の願望に応える多くの潜在的なアプローチの一つだという見方を堅持している。そしてわれわれは国連事務総長特使のスタファン・デ・ミストゥラ氏を全面的に支持している。彼は、西サハラ人民及び地域にとって持続的で尊厳ある政治的解決を求めて努力を強化している。(State Department, 15 May 2023)
 この記者会見を受けて、アルジェリアやスペインのメディアには、米国がモロッコ支持の立場を微妙に調整したとの見方が出ている。例えば、エル・インデペンディエンテ紙は、「他にも紛争解決の方法があると認めたことは、スペイン政府の立場と大きく違っている」、この米国の立場はサンチェス首相がホワイトハウスを訪れた数日後に出されたものだ、などと書いた。また、英国がモロッコの自治案に触れず、むしろ「自決権」に言及していることも取り沙汰されている。(El Independiente, 17 May 2023)
https://www.state.gov/briefings/department-press-briefing-may-15-2023/#post-446729-morocco-westernsahara
https://www.elindependiente.com/internacional/2023/05/17/eeuu-marca-distancias-con-espana-en-su-apoyo-a-marruecos-sobre-el-sahara-es-uno-de-los-muchos-enfoques-posibles/

【オーストラリア】
ポリサリオ戦線豪代表、モロッコに制止される
 5月30日(火)、キャンベラで開催されていたアフリカ連合の祝賀イベントで、モロッコの外交官たちは、正式な招待を受けていたポリサリオ戦線オーストラリア代表のカマール・ファデル氏が会場に入ろうとするのを妨害した。しかし、オーストラリア連邦警察とアフリカ諸国の大使たちが介入し、カマール氏は最終的にはホールに入って、アフリカ諸国の大使たちから歓迎を受け、オーストラリアの総督と写真を撮ることができた。(The Guardian, 30 May 2023)
https://www.theguardian.com/australia-news/2023/may/31/moroccan-officials-accused-of-intimidation-after-fracas-at-african-unity-event-in-canberra

以上。