7月10日開催 西サハラ・オンラインセミナー 西サハラにおける天然資源略奪と占領下の経済の実態 -リン鉱石、たこ、まぐろ、風力・太陽光発電、観光

主催:西サハラ友の会
共催:特定非営利活動法人 アフリカ日本協議会(AJF)

★ポリサリオ戦線オーストラリア・ニュージーランド代表が参加します。スピーチは英語、逐次通訳あり。
★西サハラをめぐるビジネスと人権の議論は日本の私たちにも関係します。

日時:2021年7月10日(土)午後4時−6時(開場3時45分)

【申込み方法】
 以下の申込み用フォームから、7月8日(木)深夜12時までにお申し込み下さい。申し込まれた方に参加者用リンクをお送りします。なお、サイトからの申し込みが難しい方は、直接当会の事務局(info@fwsjp.org)にメールでお申し込み下さい。

申込み用フォーム:https://forms.gle/wUqMLny3KyHvVrzs6

【プログラム】
16:00-16:05 開会あいさつ 勝俣誠さん/明治学院大学名誉教授
16:05-16:15 西サハラ解説+資源問題概略 岩崎有一さん
16:15-16:40 岩崎有一さん「西サハラ:資源の現場からーリン鉱石・タコ・
       マグロ・再生エネルギー・観光」
16:40-17:10 カマール・ファーディルさん「西サハラ:紛争における天然資源の役割」
17:10-17:20 新郷啓子さん「フランスとスペインー西サハラ違法開発の舞台裏」
17:20-17:40 松野明久さん「西サハラの資源:国際法と国内法はどう関係するか」
17:40-17:55 質疑応答
17:55-18:00 閉会あいさつ 箱山富美子さん/元ユニセフ職員・元藤女子大教員

司会:稲場雅紀さん/特定非営利法人 アフリカ日本協議会理事

【セミナーの趣旨】
 西サハラはスペインからの独立過程にあった1975年、隣国のモロッコに侵攻され、以来その占領下にある「アフリカ最後の植民地」です。モロッコは独立を求める西サハラの人びと(サハラーウィ)を激しく弾圧しています。独立運動を主導するポリサリオ戦線は「サハラ・アラブ民主共和国」を宣言し、アルジェリアの難民キャンプに拠点をおいています。国連安保理は1991年、停戦合意を受けて、独立か否かを決定する住民投票の実施を約束しました。しかし、米・仏の後ろ盾をえたモロッコは、西サハラを自国の領土だと主張し、住民投票を受け入れません。そして昨年秋、30年続いた停戦が破棄され、再び戦闘状態となりました。また米トランプ政権は昨年12月、モロッコがイスラエルと関係を正常化するのと引き替えに、モロッコの西サハラへの主権を認め、バイデン政権は未だそれを覆していません。ただ、国連、EU、欧州諸国、ロシア、南アフリカ等関係国の多くは米国に追随していません。
 この間、モロッコは西サハラの天然資源を略奪し、外国企業を呼び込んで経済的収奪を強めてきました。リン鉱石、たこ、まぐろ、再生可能エネルギー、そして観光など、分野は多岐にわたります。西サハラのひどい人権状況に目を向けず、むしろモロッコによる強権的支配に乗じるかたちで経済的利益を追求する動きに、海外では裁判を含むさまざまなアクションが起こされています。日本の私たちも無関係ではありません。
 セミナーでは海外団体の報告、データ、調査にもとづいて現状を明らかにし、ビジネスと人権の観点から、日本に暮らす私たちに何ができるのか、考えていきたいと思います。

【スピーカー・プロフィール】
カマール・ファーディルさん(Kamal Fadel):現在、ポリサリオ戦線のオーストラリア・ニュージーランド代表としてオーストラリア在住。サハラ・アラブ民主共和国の東ティモール大使を務めた他、インド、イランの大使館に勤務。また、イギリスのポリサリオ戦線代表部の副代表を務めた。サハラ・アラブ民主共和国石油鉱物局の上級執行委員でもある。英カンタベリー大学で修士号を取得(国際関係論)。シドニーのカレッジ・オブ・ロー(法科大学院)で法務ディプロマを取得し、オーストラリアで弁護士の資格をもつ。

岩崎有一さん:ジャーナリスト。アジアプレス所属。アフリカ地域に暮らす人々の日常と声を、社会・政治的背景とともに伝えている。1995年以来、アフリカ27カ国を訪ねた。近年の取材テーマは「西サハラ問題」「マリ北部紛争と北西アフリカへの影響」など。武蔵大学メディア社会学科非常勤講師。アフリカ日本協議会会員。

新郷啓子さん:1983年以来、フランスその後スペインで西サハラ解放支援活動を行っている。著書に『蜃気楼の共和国?』(現代企画室、1992年)、『抵抗の轍』(インパクション出版会、2019年)がある。

松野明久さん:西サハラ友の会事務局長。東ティモールやインドネシアの自決権・人権・民主化問題等に関わってきた。大阪大学教授、専門は紛争研究。最近の記事に「西サハラの主権問題ートランプ外交の負の遺産」『世界』2021年3月号。