YouTubeで連載開始 「解説 西サハラ」

アフリカ最後の植民地西サハラでは、1976年に宗主国だったスペインが撤退した後、現在もその帰属が決まっていません。

スペインの撤退直後にモロッコは西サハラに軍事侵攻し、サハラーウィの独立解放を求めるポリサリオ戦線とモロッコの間で戦闘が起こりました。国連は西サハラの帰属を住民投票の実施をもって決める停戦案を提示し、1991年に双方が停戦に合意しました。

しかしその後もモロッコは占領の既成事実化を重ね、サハラーウィと呼ばれる西サハラの民への厳しい弾圧を繰り返しています。また、アルジェリア領内の難民キャンプに政治難民として暮らすサハラーウィは、住民投票の実施を待ち望んできました。

2020年11月、ポリサリオ・モロッコ間の緩衝地帯で行われていたサハラーウィの抗議活動をモロッコ軍が排除したことをきっかけに、戦闘が再開しました。また、アメリカのトランプ大統領は12月、モロッコの西サハラにおける主権を認める大統領宣言を発表しました。住民投票をもって決めると約束された、アフリカ最後の植民地における民族自決の行く末は、まだ先が見えません。

西サハラは日本からは果てしなく遠い地に感じられますが、日本とも深い関わりがある地域です。日本で消費されるタコの約2割は西サハラ沿岸からモロッコ産として輸出されたものです。肥料の原料となるリン鉱石も、西サハラから届いています。

「解説 西サハラ」では…

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