岩壁画遺跡の破壊

モロッコによる西サハラ文化遺産の破壊行為は、今度は岩壁画遺跡に及んでいます。

占領地のサハラーウィ団体「サハラーウィ文化と遺産の保護・普及の会」(Asociación Protección Difusión de la Cultura y el Patrimonio Saharaui, APDPS) によると、西サハラのゲルタ・ゼンムールの北方にあるレグシェイウァート Leghcheiuat と呼ばれる地点で開始された破壊行為です。
この地点には岩石に刻まれた先史時代の岩壁画があり、貴重な考古学遺跡です。
さらにはサハラーウィ民族の先祖が残した、ハサニーヤ語の詩が刻まれた岩石もあるそうです。

と同時にこの一帯は青アラバスターが豊富で、岩壁画はアラバスター岩石の表面に描かれているものもあります。
青アラバスターはモロッコでホテルや富裕層の住まいの建築、あるいは工芸品の資材として使われるそうです。
現地では、6月初旬に請負業者が掘削機を導入して破壊を始めました。

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この蛮行を前に、サハラーウィ文化と遺産の保護・普及の会はユネスコや安保理事会、MINURSOに手紙を送り、早急な介入を訴えています。