モロッコ軍がサハラーウィの家畜ラクダを惨殺

去る5月5日、西サハラ占領地の中部東側にある村、ゲルタ・ゼンムールの近くで、家畜ラクダ10数頭がモロッコ軍兵士たちの機関銃で殺される事件がありました。
一帯は「砂の壁」近くで、犠牲となったのは、ここで遊牧していたサハラーウィ家族の家畜です。
占領地の人権活動家フマド・ハマードさんが家畜の主に話しを聞いたところ、まず数頭のラクダが地雷を踏んで爆死し、その後モロッコ軍第18大隊の兵士たちが機関銃で残りのラクダをハチの巣にしたそうです。

この類の惨殺行為は今回が初めてではなく、これまでにも2014年と2018年にそれぞれ十数頭のラクダが被害に遭っています。
2018年の出来事では、ラクダを助けようとした家畜主のサハラーウィも銃弾を浴びて亡くなりました。
モロッコ軍隊の動機は不明ですが、サハラーウィにとっては嫌がらせ、威嚇そしてサハラーウィ文化の抹消行為です。
占領地の人権活動家たちは、海外の動物保護団体にこの蛮行を訴えています。

ラクダは、遊牧民にとって財産(注)であることは言うまでもありませんが、それと同時に伝統文化の一端を担ってきた動物です。
サハラーウィ詩人のバーヒア・マハムード・アワーフさんはラクダをこう詠っています。
(・・・)
歴戦のうたの源
さすらう詩人の友
水さがし人の相棒
父から娘への婚礼祝
遊牧民に宿る心の富
(・・・)


ソース:Poemario por un Sahara Libre 2020年5月15日付

注:大きなラクダの価格は一頭が13~26万円。