安保理事会決議2468号

西サハラ問題を討議する国連安保理事会は、予定より一日遅れて4月30日に開かれ、決議2468号が賛成13、棄権2で採択されました。

MINURSOの任期は、2019年10月31日までの半年更新となりました。

MINURSO任期については、フランス、赤道ギニア、コートジボワールが「最良の計画を立案、遂行するには一年を必要」と主張しましたが、最終的に米国の草案に記された半年で合意しました。

フランスは再びモロッコの自治案支持を表明し、10月の安保理事会で一年任期を通過させるとの意向を表わしました。

棄権したのはロシアと南アフリカで、この二国とポリサリオ戦線のコメントは次のような要旨です。

ロシア:
今回の草案には、これまでの決議で繰り返されてきた文言に追加が入り、両義性のある、曖昧な表現になっている。これは、今後の安保理決議を揺るがしかねない。

南アフリカ:
時間不足で、充分な討議がなされなかった。
西サハラ問題のための「友好国グループ」にアフリカの国が入っていないのは問題だ。
(友好国グループは米、英、仏、ロ、西が構成。米国が安保理決議草案を作成して、このグループが検討した後に、草案は安保理事会に提出されます)
MINURSOは住民投票の実施が存在理由であるにも拘わらず、今回の決議には民族自決権の意義を希薄にしてしまいかねない、曖昧な言葉がある。
他のPKOには人権監視の任務があるが、MINURSOにはこの任務がない。

ポリサリオ戦線:
一定の評価はする。
しかし現状を打開するための、一押しが欠けている。
モロッコが侵した停戦違反を指摘できなかったことは、モロッコの頑なな態度を赦すことにつながり、政治的解決を挫折に導く。
(国連事務総長の報告書には、三月にモロッコが砂の壁を増築して停戦に違反した件が記されていました)

             ソース:UNプレスセンター、サハラ通信、アルジェリア通信、フランス通信