ケーラー国連事務総長個人特使が辞任
5月22日、西サハラ問題のための国連事務総長個人特使、ホルスト・ケーラー氏が健康上の理由で辞表を提出しました。
これについてグテーレス国連事務総長は、遺憾の意を表すとともに、「西サハラ問題の政治的解決に向けて新たな躍動をもたらすために、絶え間なく力強い努力を続けられた」と賛辞を寄せました。
今年4月30日の安保理事会決議2468号は、ケーラー特使に対し、直接交渉の実現に向けて激励を表していました。
ケーラー特使は2017年5月に個人特使に任命され、以来AUやEUの協力を求めて会談を重ねるなど、先代の個人特使とは違った手法で解決のための地盤作りを準備した特使でした。
昨年12月と今年3月にモロッコ、ポリサリオ戦線、アルジェリア、モーリタニアの代表が集う会談を開催し、来る10月の安保理事会まで、向こう半年間の進展に期待が寄せられていた矢先です。
ただモロッコは、ケーラー氏が任命された当初から非協力的な姿勢を露わにし(特使任命の承諾に三カ月要した)、この態度は特使就任の二年間、さまざまな段階で顕著に続きました。
ちなみにモロッコ・メディアは今回の辞任報道で、ケーラー氏の任命を2017年5月ではなく、モロッコ政府が承認した8月と報じています。