<アフリカ開発会議>最後の植民地・西サハラの代表団が来日(2)モロッコの圧力で揺れる西サハラの参加 岩崎有一

◆波乱含みとなったTICADの歩み
今回のアフリカ開発会議(TICAD7)には、西サハラからの代表団が初めて参加している。では、なぜこれまでは参加してこなかったのか。

TICADは日本が立ち上げた国際会議だ。その会議に、日本が承認していない国を招こうと招くまいと、日本の勝手ではないか。そう思われる方もいるかもしれない。
西サハラの民によって建国されたサハラ・アラブ民主共和国(RASD)を国家として承認している国は少ない。しかし同時に、RASDを樹立したポリサリオ戦線は国連に代表部を置き、国連はポリサリオ戦線を西サハラ住民の代表として認めている。
また、西サハラがモロッコからの分離独立を求めているとする記事が散見されて久しいが、これは正確ではない。西サハラは国連によって、民族自決権の行使が望まれる「非自治地域」として定められている。国際法上は、西サハラはモロッコの施政下に置かれてはおらず、モロッコが力で支配しているに過ぎない。西サハラは今もモロッコの一部ではないため、「分離」とはならないのだ。

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