ジャーナリズムの不毛の地
6月11日、国境なき記者団 RSF のスペイン支部が西サハラについて、「ジャーナリズムの不毛の地」と題した報告会を開きました。
RSFによると、モロッコの占領下にある西サハラでは報道の自由が存在していないため、その封鎖を打破して情報を流そうとする者たちは身の危険を冒して行なわねばならなくなっています。
また同時に、モロッコは海外のジャーナリストがこの地域で活動することをボイコットしているため、彼らは到着するやいなや国外退去に処されています。
現在のところ、七人のサハラ-ウィ・ジャーナリストが刑務所に入れられ、数名は終身刑、そのほか20年禁固の刑を受けています。
こうした実態をベースとして、RSFが作成した「報道の自由ランキング」では、180ヶ国の中でモロッコは135位にあります。
RSFの報告が行われた翌日12日、まるでこれを裏付けるかのように、スペイン人フォトジャーナリストのジュディス・プラットさんが国外退去に処されました。
「私が到着していた家に警官がやってきて扉を激しく叩き、大声で叫びました。その後五分も経たないうちに私は荷物を携えバスに乗せられ、現地から追放されました」と語るプラットさんは、これまで世界の紛争地や難民問題の地域などで活動し、国内外の賞を受賞してきたジャーナリストですが、国外退去に遭ったのは今回が初めてでした。
プラットさんはこの日、占領された西サハラで報道活動をするグループ「エキップ・メディア」のメンバーに、フォトジャーナリズムの手ほどきをするために現地入りした矢先でした。
帰国した彼女は「私はご覧のとおり大丈夫です。けれども西サハラのジャーナリストたちの身の上が気にかかります。彼らは、権利も自由も無視する占領当局によって、常に危険にさらされているのですから。身を懸けて、報道活動をする人たちなのです。」と語っていました。 (ソース: Publico.es / Elperiodico.es)
一方、国外退去させられる外国人はジャーナリストだけではありません。
人権活動家、弁護士、議員、教授、西サハラ支援者と多彩です。
先日フランスの支援委員会AFASPAが、2014年以降の退去被害者たち計192名の国籍と数を報告しましたので、引用いたします。
スペイン(84) ノルウェー(68) フランス(5) イタリア(6) ドイツ(1) 英国(3)
スウェーデン(7) オランダ(1) ポルトガル(1) リトアニア(1) 米国(2) カナダ(1)
チュニジア(2) 日本(2) ベルギー(2) スイス(2) 中国(1)
2014年 41名
2015年 22名
2016年 85名
2017年 16名 (内5名は欧州議会議員)
2018年 11名
2019年 17名