ナズハ・エル=ハーリディーさんの判決
5月18日付の短信でお伝えしたナズハ・エル=ハーリディーさんの裁判が、延期を重ねた末、7月8日に判決が下され、罰金4000ディルハム(注)が課されました。
ハーリディーさんは、占領地でサハラーウィたちが受ける弾圧の模様を報道したかどで、2018年12月に逮捕されました。
モロッコの刑法では、無認可で専門職活動をすれば、禁固3か月から2年と罰金120から5000ディルハムが課せられます。
海外から西サハラにやって来るジャーナリストにすら取材許可が下り難いのですから、現地のサハラーウィが認可を取得するなど不可能であることは、誰の目にも明らかです。
アムネスティ・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチなど、世界中の多くの団体から抗議が上がりました。
裁判はモロッコの法に違反したとして行われたわけですが、こちらも公正さに貫かれているかどうかは全く不透明です。
現にオブザーバーとして、スペインから八名の弁護士、ノルウェーから二名のNGOメンバー、米国から二名の弁護士が現地入りを試みましたが、それぞれが、到着の空港で一切の説明も受けずに強制送還されています。
今回は海外で広がった抗議がプレッシャーとなって、判決は罰金だけでしたが、ハーリディーさんの所属する報道グループ、エキプ・メディアでは、現在6名が獄中です(一名は終身刑、他は25年から4年の禁固)。
ハーリディーさんはこう語っています。
「この判決文が意味するのは、今後も警察暴力を報道すれば、報復が待っているということです。実情には何も変わりはありません。4000ディルハムは払いません。私の活動を犯罪視する片棒は担いたくありませんから。」
(ソース:EFE通信 / cuatropoder.es)
注:1モロッコ・ディルハム= 11.3 円