アガディール大学でサハラーウィ学生が殺害される
2018年5月20日: モロッコの占領下にある西サハラには大学がなく、サハラーウィの学生たちは、モロッコ国内のラバト、マラケシュ、アガディールなどの大学に在籍しています。
彼らは常に、デモや集会でモロッコ当局の直接的弾圧を受け、不当に逮捕され、裁判を抱える一方、日々の学生生活のなかでは、サハラーウィであるがために受ける嫌がらせや挑発、差別待遇などに晒されています。
以下は、今月19日、アガディールの大学構内で殺害されたサハラーウィ学生の事件を伝えるヨーロッパ・プレスの記事ですが、このように、当局にそそのかされたベルベル系学生のサハラーウィ学生に対する暴行事件は過去にも何度も起きています。
アガディールのサハラーウィ学生活動家、殺害される
2018年5月19日 ヨーロッパ・プレス通信
学生活動家、アブデラーヒーム・バルディさん(24才)が、アガディールのイブン・ゾフル大学文学部で殺害された。
地元のサハラーウィ系メディア「エキップ・メディア」が伝えるところによると、バルディさんは学部入口付近で、ナイフや鉤を手にした者たち数十人に突然襲われた。
その後バルディさんは現場に放置され、救援手当を受けることなく死亡した。
現地の学生団体「サハラーウィ学生集団」によると、学生たちの活動阻止を狙うモロッコ当局にそそのかされた、ベルベル系学生グループの犯行とされる。
このグループは前日18日から刃わたり30~40センチの刃物を露骨に手にして、構内をうろついていたが、これに対する警察側の動きは何もなかった。
バルディさんの殺害は、「モロッコ当局の承認を得た行為だ」と「エキップ・メディア」はコメントしている。
「サハラーウィ学生集団」によると、この殺害は、バルディさんの日頃の政治活動に対する報復行為で、とりわけ5月10日のポリサリオ戦線結成45周年を記念する会を組織したことが引き金になった。
バルディさんは、サハラーウィの学生の権利と民族自決権を求めて闘う学生活動家の一人だった。